ひと口に「ハイブリッドシステム」と言っても、種類はたくさんあります。代表的な方式は3種類。
「
シリーズ・ハイブリッド」「
パラレル・ハイブリッド」「
シリーズ・パラレル・ハイブリッド」です。どの方式もエンジンとモーターの組み合わせに変わりありませんが、役割分担が異なります。
シリーズ・ハイブリッド(図1)は、エンジンをジェネレーター(発電機)の動力源としてのみ使用し、モーターだけで走行する方式です。エンジンとモーターが「直列」の関係にあるので、「シリーズ」。エンジンと駆動輪との間に機械的伝達はなく、エンジンはあくまでも発電用。定置型の発電機をクルマに載せ、発生した電力でモーターを回して走る、電気自動車と考えることもできます。コンセプトカーとしての提案はありますが、現在のところ市販モデルは存在しません。
シリーズ・ハイブリッド(図1)
エンジンは、図でGと書いてあるジェネレーター(発電機)を回すためだけに使われます。発電された電気でモーターを駆動して走ります。また発電機で発電された電気は、バッテリーに貯められます。ブレーキをかけたときは回生ブレーキで電気をバッテリーに回収する仕組みです。いまのところ、市販車でこの方式を採るハイブリッド車はありません。エンジンは、一番効率の良いところで回すことができるのが長所のひとつです。
パラレル・ハイブリッド(図2)は、エンジンとモーターを「並列」に配置します。走りの主役はあくまでエンジン。発進・加速時など、大きなパワーが必要な際にモーターがエンジンをアシストすることから、「モーターアシスト式」とも呼ばれます。構造がシンプルなため低コストでハイブリッドを実現できるのが特徴。その一方で、効率面で妥協を強いられるため、後述するシリーズ・パラレル・ハイブリッドに燃費で劣ります。ホンダ・インサイトがこの方式を採用しています。
パラレル・ハイブリッド
(モーターアシスト式)(図2)
特徴は、「あくまでも主役はエンジン」だということ。モーターは「アシスト役」です。ホンダのシビック・ハイブリッドやインサイトがこの方式です。ホンダのハイブリッド・システムの名称「IMA」は「インテグレーテッド・モーター・アシスト」なのです。シンプルで低価格が実現できるのが長所です。
シリーズ・パラレル・ハイブリッド(図3)は、エンジンとモーターを並列に配置するのはパラレル・ハイブリッドと同じですが、走行する際、エンジンとモーターを必要に応じて使い分ける点に特徴があります。発進・低速走行時はモーターのみで走行。速度が上がるとエンジンとモーターが効率良くパワーを分担し、お互いの弱点を補います。走行状況に応じた緻密な走行を実現するための動力分割機構(歯車の組み合わせで構成)や、補機類などを駆動するための専用発電機が必要になるなど、システムは複雑になりがち。ただし、モーターのみで走行できるため、燃費性能に優れるのが特徴です。トヨタ・プリウスをはじめ、「トヨタ」「レクサス」ブランドのハイブリッドカーがこの方式を採用しています。
シリーズ・パラレル・ハイブリッド(図3)
プリウスの方式がこれです。発進・低速走行の時は、モーターだけで走行ができます。速度が上がるとエンジンとモーターを効率よく使って走ります。そのため、複雑な動力分割(混合ともいいます)機構が必要になります。システムとしてはやや複雑になりますが、モーターだけで走行できるので、燃費性能に優れます。
エンジンとモーターの役割分担という視点で分類すると上記の3タイプに分類できますが、横置きレイアウト(主に前輪駆動用)、縦置きレイアウト(主に後輪駆動用)のように、システムの配置から分類することもできます。