中国 ・上海編

中国・上海編 上海在住日本人が右肩上がりで増加中!
銀行関連の高層ビルが建ち並ぶ「陸家嘴金融貿易区」。いちばん左の塔は「 東方明珠とうほうめいしゅテレビ塔」

上海は2010年に万博開催を控えており、都心も郊外も周辺地域もいままさに建設ラッシュの日々が続いています。なかでも、金融街として開発が進む「陸家嘴(リュウチャーツイ)金融貿易区」には、最高層80階建てのビルをはじめとする、金融各社が入居する50〜60階建ての高層ビルが林立。世界初の実用運転に成功したリニアモーターカーもあり、浦東(プートン) 国際空港への足として利用することができます。

上海の昔からの繁華街、南京路にて。いまは歩行者天国になっている

いうまでもなく、中国の経済発展の速度は目を見張るものがあります。上海万博に先立つこと2008年には、北京オリンピックの開催も決まっており、それを受けて中国進出をめざす日本企業数も急速に増加しています。さらに一般市民のリテールビジネスに日本人が参加するケースも増え、いまでは上海在住の日本人数は4万人を超えました。香港を含む中国にある都市のなかで、最も日本人人口の多いところとなりました。街には日本資本のコンビニが軒を並べ、オフィスビルに入れば日本料理のレストランが幅を利かし、観光スポットに行けば出張の合間に街歩きを楽しむ日本人ビジネスマンの姿を見かけます。


切り上げ圧力を受ける人民元のゆくえは・・・

「世界の工場」といわれる中国。安い人件費をバネに成長を続けていますが、一方で対欧米諸国との貿易不均衡が発生、中国の通貨である「人民元」の力も徐々に強くなってきました。そんななか、アメリカなどから人民元に対する切り上げ圧力が高まり、ついに2005年秋、対米ドル固定相場制(ペッグ制)から変動相場制へと変わりました。しかし、依然中国政府は人民元の相場を維持すべく、大量のドル買いを実施。その結果、2006年4月末で国の外貨準備高が日本を超えて世界第1位に躍り出ました。2006年5月中旬には、1つの関門とされていた1ドル=8元の大台を割り(固定相場制の時代は8.3元だった)、日本の新聞各紙にも一面で取り上げられました。

人民元はいまも表向きには、米ドルやユーロ、日本円などのように外国との決済として使われる通貨ではありません。その一方で、中国企業の海外進出や海外の株式市場での上場などが進み、香港でも活発に中国の国営企業・銀行が資金集めをするいま、人民元は着実にアジアの基軸通貨への道を歩んでいるといっても言い過ぎではないでしょう。


カード1枚で海外旅行へ行ける!?

デビットカードのマーク「Unionpay 銀聯」。中国のほとんどのホテルや商店で使える。
海外に出かける人が増えているいま、国際クレジットカードの勧誘も盛ん

日本でも、さまざまな自治体や企業が積極的に「中国からの観光客誘致」のための事業を行っています。しかし、「海外に持ち出しても使えないはずの人民元」を持って、日本に中国人のお客様がやってきても買い物などできないのでは? などという疑問が生じます。たしかにちょっと前まで、中国では外貨の管理はきびしく、個人が米ドルなどの外貨を購入することはほとんど無理でした。

ところが、人民元のプレゼンスが高まり、中国と外国の銀行間で検討した結果、2005年秋から欧米、そして2006年4月から日本でも、「中国の人々がふだん使っているATMカードでの現地通貨引き出し」が可能になっています。つまり、中国の人民元口座にお金があれば、日本の街角で普通に日本円が引き出せるわけです。加えて、秋葉原の電気街など中国人客の出入りが多いところでは、このカードをデビットカードとしてそのまま支払いに使えるお店もできてきました。

この「銀聯(インリェン)」というカードは、中国国内でも全国のほとんどの商店でデビットカードとして手数料なしで使えることから、急速にそのシェアを広げています。 中国のどの銀行で口座を開いても必ず「銀聯(インリェン)」のマークがついたカードをもらえますから、最近では日本人の中国出張者が現地でカードを作って、ふだんの買い物に使っているケースも少なくありません。実際に中国で使ってみると、「分厚い現金を持ち歩かなくてもよい」「偽札をつかまされる心配がない」と好評です。日本ではなかなか定着 しなかったデビットカードのシステムが、中国でうまく進展したという事実に注目したいものです。

※上記の記事は、とくに記述がない限り、2007年11月13日現在のデータをもとに作成したものです。
プロフィール
さかいもとみ
ライター兼編集者。1965年名古屋生まれ、2005年末に香港の永住権取得。中国との異文化間コミュニケーション研究をもとに、著書『中国人観光客おもてなしの鉄則(アスク)』を執筆。そのほか、中国への進出をはかる日本人企業家向けのビジネス手引書の編集をはじめ、中国、香港に関する旅行ガイドの編集、制作に携わる。

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