去る2005年5月29日(日)に名古屋市のデザインホールで中日新聞社主催、トヨタFS証券協賛による第3回公開マネーフォーラムが開催されました。第1部の基調講演では、テレビやラジオ、雑誌などでおなじみの経済アナリスト森永卓郎氏から定年後を楽しむためのお金や心構えについてお話をいただきました。「人生を楽しむためのマネー座談会」と題した第2部では、森永さんに加え、ソムリエの田崎真也さんやシンクタンク・ソフィアバンクの藤沢久美さんなどをお迎えし、お金との賢い付き合い方についてディスカッションしました。
人生とは生活が安定してこそ楽しめるものです。しかし、その楽しみを奪いかねない年金制度改革が昨年施行されました。保険料は引き上げられる半面、「マクロ経済スライド」という仕組みにより、給付額は引き下げられることになったのです。
いままで夫婦2人のサラリーマン世帯には、モデル年金で月23万3千円、年間で約280万円が給付されていました。これがマクロ経済スライドによって今後20年間にわたってトータルで17%の支給金額が減ります。さらに、支給開始後の年金が賃金スライドではなく、物価スライドしかされないことによる目減り分を考慮すると、最終的には年金の実質金額が現状の2/3、約190万円にまで引き下げられると考えるべきです。最低限必要な年収300万円と比べると、110万円分の差額を自助努力で埋めていくしかありません。
自助努力の手段として考えられるのは、現在の生活レベルを引き下げることです。たとえば、都心から郊外に移り住めば、支出を下げることができます。私も都心から離れた埼玉県所沢市に住んでいますが、驚くほど物価は安いです。都心で1枚1,000円で売られているパンツが、自宅の近所だとなんと5枚で1,000円なのです(笑)。
農村に移住して自給自足の生活を送るという選択肢もありますが、誰にでもできるわけではありません。今回の年金制度改革で年収300万円台を確保することが困難になったいま、ある程度の文化的な生活を続けるには、働くことがもっとも有効な自助努力の手段です。ただし、たくさん稼ごうと考えると、むしろ自分を苦しめることにもなりかねません。“月に4〜5万円程度稼げる好きな仕事”という割り切りが肝心です。
日本は依然として、デフレ経済が続くという異常な状況です。しかしそれも来年の春ごろには、収束に向かうと見ています。その時、バブル崩壊とは逆の現象が起きるでしょう。バブル時は地価が急上昇し、崩壊後に暴落しました。今度はデフレで下落した地価が一気に急上昇するのです。私はこれを「逆バブル」の崩壊と呼んでいます。
同様に株式にも「逆バブル」現象が起きるでしょう。PBR(株価純資産倍率)という指標がありますが、これが1を割るのは理論的に異常なこと。でも実際には上場企業の3分の1近くが1を割っています。こういった異常事態を引き起こしていた元凶もやはりデフレだったのです。
逆バブルの崩壊は、突然訪れます。もちろんリスクはありますが、この訪れるタイミングさえわかれば不動産投資や株式投資で大きなリターンが期待できます。そのためにも日頃の練習が肝心。普段から自分の資産について考え、訓練しておけばきっとそのタイミングに乗り遅れることはないでしょう。
最後に、老後を楽しむにはある程度のお金は必要ですが、一番大切なのは自分を必要としてくれ、活躍できる場を作ることです。一生を通じて夢中になれる生き甲斐を見つけるとともに、お金について早くから考えることが定年後を楽しむための秘訣ではないでしょうか。
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