海の向こうはこんな暮らし

2003年10月、私はワーキングホリデービザを手に、羊の国ニュージーランドへと向かいました。ワーキングホリデーとは、18〜30歳(ニュージーランドの場合)の若者を対象に協定を結んだ2国間で最長1年間、相手国の文化を学び、交流する目的で発足された制度のことです。その期間には、旅行はもちろん、アルバイトや学校で勉強することも認められています。

人間よりも羊が多く暮らすニュージーランド
さて、海外で働くということにずっと憧れていた私は、学ぶよりも、遊ぶよりも、まずは仕事が第一。ニュージーランド最大の都市オークランドに住んでいたため、仕事は簡単に見つかったのですが、ひとつ問題が……。それは、時給が低いこと。どこも約970円(11.25ドル)くらいが相場で、驚くなかれ、スーパーバイザーのような管理職でさえ1130円程度(13ドル)しかありません(2007年11月現在の金額)。じつは、ニュージーランドの平均年収は、日本の3分の2から3分の1程度でしかないのです。
ならば、物価が安いのだろうと思われるかもしれませんが、これが、日本と同じか、それ以上なのです。
たとえば、トイレットペーパーなら12ロールで約500円(6ドル)、大学ノートが約300円(3.50ドル)、電化製品は輸入品に頼っているためどれも割高(2006年3月現在の金額)。しかも、ニュージーランドは好景気が続き、ニュージーランド・ドル(以下、NZドル)が上昇し、私が滞在していた2年半(2003年10月から2006年4月まで)で1NZドル=60円台から90円台へ!
ニュージーランドに住み始めた当初は1NZドル=40円台(2000年ごろ)だったという日本人女性の方が、「昔は、何でも40円で計算して安いと思っていたのに、いまは単純に考えても、物価が2倍になったのと同じ。厳しいわよねぇ」と嘆いていました。

ニュージーランドのどの銀行も高金利のメニューを用意しています。
「ニュージーランドは物価が安い!」という噂を信じ、意気揚々とニュージーランドに住み始めた私は、現実とのギャップにがく然としました。
私は某有名ホテルのギフトショップで働き始めましたが、時給は相場と同程度の約600円(9ドル)。貯金なんてほとんどできませんでした。「お金が貯まらない!」と毎日のようにぼやいていた私に、ある日、日本人の知り合いが言うのです。「定期預金の口座を持てばいいのに。」
よくよく話を聞いてみると、ニュージーランドの銀行や郵便局の定期預金の利率は、日本とは比べものにならないくらい、破格の高さらしいとのこと。当時、銀行に普通預金の口座しか持っていなかった私は、詳しい話を聞くため、さっそく銀行へと向かいました。案内係の女性スタッフに定期預金の利率について尋ねると、パンフレットを持ってきて、説明してくれました。「180日ごとに利率の見直しはありますが、いま(2005年2月現在)ですと6.60%ですね。」
「6.60%!!」
その後、銀行をいくつかまわりましたが、どこも預金の利率が6%以上が当たり前。利息に対し最低でも19.5%の源泉課税(2005年2月現在)がかかることを考えても、限りなくゼロに近い日本の定期預金の利率と比べて、はるかにいいのです。
その後、定期預金口座を開設した私は、勝手に増えていく定期預金の残高を確認するたび、ニヤニヤ。じつは、日本に帰国したいまでも、ニュージーランドの定期預金はそのまま残してあります。日本からでも、引き落としや入金、解約が可能なのです。増えたと実感できる額のお金が増えていくのは、やっぱりうれしいです! しかし一方で、為替相場が変われば、大損をする可能性もあるので、解約の時期を見きわめる注意も必要だと思っています。ちなみに、2007年11月は金利はさらに上がり、8.90%となっています。
※上記の記事は、とくに記述がない限り、2007年11月14日現在のデータをもとに作成したものです。
ライター。2003年10月から2年半、日本人にはまだまだマイナーなニュージーランドについて、雑誌、WEB、新聞に多数寄稿。大好きなニュージーランドのことを多くの人に知ってもらうべく、これからもニュージーランドに関する記事を執筆していく予定。現在、ニュージーランドを写真とエッセイで紹介する写真展を準備している。