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海の向こうはこんな暮らし

オーストラリア・メルボルン編 再開発で若返ったメルボルン

オーストラリア・ビクトリア州の州都であるメルボルンは、ゴールドラッシュ時に金融・商業の街として発展しました。金融の中心がシドニーに移った現在も、著名な上場企業や銀行がメルボルンに本社を置いています。日本にも支店を持つオーストラリア・ニュージーランド(ANZ)銀行の銀行博物館や旧大蔵省博物館は、金融都市として栄えた当時の面影を残す荘厳な建築装飾が見られる観光スポットです。

ビクトリア調の建築物や多くの庭園に加え、気まぐれなお天気までが英国風のこの街で、大英帝国版オリンピック「コモンウェルス競技大会」が2006年3月、エリザベス女王を招いて開催されました。71カ国が参加した一大イベントに向け、競技会場の整備や街の再開発が急ピッチで進みました。


波状の斬新な屋根が特徴的なサザンクロス駅

なかでも目玉事業となったのが、メルボルンの玄関口でもある「スペンサーストリート駅」の大改修。開発が進むウォーターフロントへの入口にふさわしいモダンな駅として生まれ変わり、「サザンクロス(南十字星)駅」と改称されました。

サザンクロス駅の再開発は、PPP(Public Private Partnership)と呼ばれる官民協働によるもの。ビクトリア州は、裁判所や病院、コンベンションセンターといった公共施設の建設・運営に際し、官民でリスクを分担する公共サービスの民間開放を早くから積極的に導入しており、資金源の一部に民間の年金基金があてられています。

一般庶民に身近な投資

銀行博物館となっているゴシック建築の館内では現在も銀行業務を行っています

オーストラリアの一般会社員の年金は、雇用者が給与支給額の9%を拠出する積立投資型。従業員による年金ファンドの選択も2005年から自由になりました。各人がどんな年金ファンドを選んでどう運用していくかで老後の資金が大きく変わるので、必然的に一般庶民の投資への関心も高まっています。


カラフルなオーストラリアのお札は世界初のプラスチック・ポリマー製で長持ちします

また、日本人旅行者にとって気が楽なのは、ここには欧米のようなチップの習慣がないこと。よいサービスを受けたときに感謝の気持ちをチップで示すかどうかは個人の自由で強制ではありません。ふだんのランチタイムや、カフェでお茶、といった機会にチップを払う必要はまずありません。レストランでワインを頼むような少しかしこまった席や特別のはからいをしてもらったときには、心付けとして金額の10〜15%程度を目安に払えばよいでしょう。

“多文化都市”メルボルン

リバーフロントのイタリアンカフェと旧正月を祝う提灯

メルボルンは美食の街として知られており、食べ歩きの楽しいところです。人口約370万人のうち、4人に1人が外国出身といわれるこの街では、本場の各国料理が手ごろな値段で味わえます。最近はアフガニスタンやスーダンからの移民が増えており、メルボルンの食文化もさらに多彩になっています。ビクトリア州政府の資料によると、ビクトリア州に居住する移民たちの祖国はじつに200カ国以上、話されている言葉は180語に及ぶそうです。

初めてこの街を訪れた人はアジア人の多さに驚くかもしれません。中華系やベトナム系の移民に加え、インドネシアやマレーシアをはじめとするアジアからの留学生を大量に受け入れているためです。教育はオーストラリアの大切な輸出産業で、教育環境の整ったメルボルンは人気の高い留学先でもあります。

メルボルンは、見た目は英国風の街ですが、メルボルンに住む人々とその文化はじつにカラフルなのです。

※上記の記事は、とくに記述がない限り、2007年11月13日現在のデータをもとに作成したものです。


プロフィール
緑ゆたか(みどり・ゆたか)
日本で商社、教育機関勤務を経たあと、1997 年よりオーストラリアに在住。現在は、メルボルンの現地企業で日系企業向けのマーケティング・渉外・翻訳業務に従事している。モナッシュ大学応用言語学修士課程卒業。

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