世界銀行がどのような銀行かご存じですか
世界銀行とは何なのか?

有馬 世界銀行(以後、世銀)がどのような銀行かご存じですか?
藤沢 じつは、あまりくわしくはわからないんですよ……。
有馬 世銀は第二次世界大戦後に設立された、戦争で荒廃した国々の復興支援のための国際機関です。日本でいうと日本興業銀行(現、みずほ銀行)や日本長期信用銀行(現、新生銀行)と似たような要素を持っている国際的機関で、IMF(国際通貨基金)と同時に設立されました。IMFは外貨準備といったマクロ的な案件を取り扱っているのですが、世銀は民間の銀行と同じく、個別の案件やプロジェクトに対して資金を貸出しています。ただし、国が保証している案件や、途上国にしか貸出せないという制限があります。
青野 具体的にはどういった国に貸出すんですか?
![]() 有馬 良行さん
世界銀行シニアフィナンシャルオフィサー
|
有馬 一般的には一人当たりのGDP(国内総生産)を毎年算出していき、GDPが中くらいのレベルの国に貸出します。
藤沢 「中くらい」というと基準がわかりにくいですね……。
有馬 相対的な評価で決めるんです。すると、分かれ目の国もあるわけで、たとえば中国やインドがそうですね。これらの国はGDPが低く、世銀本体の貸出適格国になっています。じつは世銀グループでは2種類の貸出しを行っています。1つは、マーケットで資金を調達して貸出しをする世銀の貸出方法。もう1つは、加盟国から別途予算をとって貸出しをする、世銀の兄弟機関である国際開発協会の貸出方法があります。こちらも同じ世銀グループですが、バランスシートは完全に独立しています。これにより、世銀の貸出す規定に達してない国に、例えば期間40年で金利ゼロというような条件で貸すことができるのです。2年くらい前ロンドンで、「アフリカの債務を軽減しよう」という動きがあり、世銀グループや日本政府も「対アフリカの債務を一部免除する」という声明を出しました。一時お客さまから、「私が買った債券のお金を免除して返せるの?」というような質問を受けましたが、発展途上国への貸出し資金は別枠のため、問題ないとお答えしています。
資金調達方法は? 何に使っているの?
世界銀行は債券を発行して、世界各地の多くの投資家から資金を調達しています。発行する債券の数は年間数百件にも及びます。現在の起債額は毎年およそ150億ドル〜200億ドルほどになっており、2002年6月30日時点の借入残高は約1,100億ドルです。世界銀行が調達する通貨の大半は米ドル、ユーロ、日本円、イギリスポンドですが、豪ドルやニュージーランドドル、カナダドルにおいても、積極的な資金調達が行われています。
このように集めた資金の使いみちは、世界中の人々に役立てられていて、貧しい国や地域の人々の自立を助けるための環境を整えたり、学校などの施設の設立に利用されています。これから発展が予測される国などであれば、高速道路の整備といった、その国の経済の発展を助けるためにも使われています。
